医療・介護分野での採用を検討する際、「株式会社エス・エム・エス」という名前を目にした方は多いのではないでしょうか。
看護師や介護職の人材紹介で高いシェアを持つ同社ですが、具体的なサービス内容や特徴を詳しく知らない採用担当者も少なくありません。
本記事では、エス・エム・エスの企業概要から人材紹介事業の詳細、サービスの特徴までを網羅的に解説します。
株式会社エス・エム・エスとは

株式会社エス・エム・エスは、医療・介護分野を中心とした人材紹介事業で国内トップクラスの実績を持つ企業です。
高齢社会における人材不足という社会課題の解決に取り組んでおり、多くの医療機関や介護事業者から信頼を得ています。
エス・エム・エスは2003年4月に設立され、2022年4月より東証プライム市場に上場している企業です。
「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」というミッションを掲げています。
創業以来19期連続で増収増益を達成しており、安定した成長を続けている点が特徴です。
同社は「キャリア」「介護事業者」「ヘルスケア」「シニアライフ」という4つの事業領域で、国内外合わせて50以上のサービスを展開しています。
海外では18の国・地域で事業を行っており、グローバルにも事業を拡大中です。 東証プライム市場上場企業として、コンプライアンスやガバナンス体制も整備されています。
| 項目 | 内容 |
| 社名 | 株式会社エス・エム・エス |
| 設立年 | 2003年4月 |
| 資本金 | 25億5,172万円(2024年3月31日時点) |
| 従業員数 | 連結3,703人、単体2,343人(2023年3月31日時点) |
| 代表者 | 代表取締役社長 髙畑正樹 |
| 本社所在地 | 東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー |
| 上場市場 | 東証プライム市場 |
同社の強みは、高齢社会という成長マーケットに早期から参入し、専門性の高いサービスを構築してきた点にあります。
医療・介護業界における豊富な知見と、全国に広がるネットワークを活かした事業展開を行っています。
エス・エム・エスの人材紹介サービスの特徴と強み

エス・エム・エスの人材紹介サービスは、業界特化型ならではの専門性と、独自の取り組みによる高いマッチング精度が特徴です。
エス・エム・エスの最大の特徴は「両面営業スタイル」を採用している点です。
多くの人材紹介会社では、求職者対応と法人対応を別々の担当者が行う分業制を取っています。
しかしエス・エム・エスでは、キャリアパートナー(CP)と呼ばれる担当者が、求職者と法人の双方とコミュニケーションを取る体制です。
この両面営業スタイルにより、求職者の希望条件と法人側のニーズを深く理解した上でのマッチングが可能になります。
また、医療・介護分野への深い特化も同社の大きな強みとなっています。
各職種の業務内容や必要なスキル、職場環境の特性なども熟知しているため、的確なアドバイスが可能です。
2021年からは、高度急性期病院などで十分な臨床経験を積んだ医療従事者をキャリアパートナーとして積極的に採用する取り組みを開始しました。
現在では110名を超える医療従事者がキャリアパートナーとして活躍しています。
実際に医療現場で働いた経験を持つ担当者が転職支援を行うため、求職者からは「同じ医療従事者の方に対応していただけるのは安心する」という声が多く寄せられています。
データでもその効果が証明されており、初回の転職面談における顧客満足度(NPS)において、医療従事者キャリアパートナーは通常のキャリアパートナーと比較して7%高い結果が出ています。
さらに、人材紹介経由で転職した従事者の早期離職率は、医療従事者の採用を開始した前後で約121%改善しました。
エス・エム・エスは独自の研修プログラムも構築しています。
専任のキャリアパートナー教育組織を設けており、座学での業界知識の習得、従事者の働き方体験研修、さまざまな職種・シーンを想定したロールプレイング研修など、体系化されたプログラムを提供中です。
この研修を通じて、人材紹介未経験者でも早期に質の高いマッチングができる人材へと成長できる仕組みを整えています。
このように、医療従事者キャリアパートナーの採用は個々のマッチング品質向上だけでなく、組織全体の能力向上にも寄与しています。
この一連の取り組みを継続的に回すことで、サービス品質は着実に向上し続けているのです。
エス・エム・エスが提供する採用・定着支援サービス

エス・エム・エスは人材紹介だけでなく、採用後の定着支援にも力を入れているのが特徴です。
医療法人・介護事業者向けには、従業員満足度調査「FitnES+(フィットネスプラス)」というサービスを提供しています。
このサービスでは、処遇や組織風土、業務内容、想定勤続年数に関するアンケートを通じて、自組織の健康状態を可視化できます。
調査結果は詳細なレポートとして提供され、同規模・同機能の事業者と比較することも可能です。
この比較により、自院の強みや課題が明確になり、強みは採用時のアピールポイントとして活用できます。
課題が明らかになれば、それを改善することで既存職員の定着やモチベーション向上につなげられるのです。
複数名の採用に至った医療機関に対しては、新入職員の定着促進研修も実施しています。
この研修は師長やプリセプターといった、新入職員をサポートする立場の方々を対象としたものです。
ワークショップやディスカッションを通じたリーダーシップ研修により、新入職員が中長期的に活躍できる組織体制の構築を支援します。
研修以外にも、エス・エム・エスの社員がハンズオンで医療現場に入り込み、採用業務の改善や受け入れ体制の構築をサポートする取り組みも行っています。
採用プロセスの見直しから、新入職員のオンボーディング設計まで、実務に即した支援を提供中です。
訪問看護ステーションなど特定の事業者向けには、採用と定着をテーマにしたオンラインセミナーも開催しています。
看護師の意識調査データを分析した結果をもとに、採用・定着しやすい事業者の特徴や、組織改善のポイントを解説するなど、実践的な情報提供を行っているのです。
これらの取り組みは、単に人材を紹介するだけでなく、採用した人材が長く活躍できる環境づくりまでサポートするという、エス・エム・エスの姿勢を表しています。
人材紹介サービスを採用活動で活用する際の考え方

ここまでエス・エム・エスのサービス内容について見てきましたが、採用担当者の立場から考えると、人材紹介サービスをどのように活用すべきかという視点も重要です。
人材紹介は有効な採用手法の一つですが、万能ではありませんし、コストもかかります。
ここでは、人材紹介サービスを採用活動で活用する際の考え方について解説します。
人材紹介サービスが特に適しているのは、専門職や経験者の採用が必要な場面です。
医療・介護分野のように専門資格が必要な職種や、即戦力となる経験者を求める場合、人材紹介会社が保有する人材プールからのマッチングは非常に効率的と言えます。
求人媒体に掲載するだけでは応募が集まりにくい職種でも、人材紹介であれば候補者にアプローチできる可能性が高まります。
採用活動に割ける時間が限られている場合も、人材紹介サービスの活用が有効です。
求人票の作成や応募者対応、面接日程の調整など、採用活動には多くの工数がかかります。
人材紹介を利用すれば、これらの業務の一部を委託でき、自社の採用担当者は面接や意思決定といったコア業務に集中できるのです。
特定の職種で採用難が続いている場合や、地域での知名度が低く母集団形成が難しい場合にも、人材紹介サービスは力を発揮します。
人材紹介会社は独自のネットワークと専門知識を持っているため、自社だけでは接触できない候補者層にリーチできる可能性があります。
費用対効果の考え方も重要なポイントです。 人材紹介は成功報酬型が一般的で、採用が決まって初めて費用が発生します。
求人媒体のように掲載費用を先に支払う必要がないため、初期費用を抑えられる点はメリットです。
ただし、成功報酬の金額は年収の数十%程度となることが多く、一人あたりの採用単価は高くなりがちです。 この採用単価と、採用後の定着率や活躍度合いとのバランスで判断する必要があります。
質の高いマッチングにより長期的に活躍する人材を採用できれば、短期的な採用単価が高くても十分に費用対効果は合うでしょう。
| 採用手法 | メリット | デメリット | 適している場面 |
| 人材紹介 | 専門性の高いマッチング、工数削減、成功報酬型 | 採用単価が高い、候補者の選択肢が限定的 | 専門職採用、即戦力採用、採用難職種 |
| 求人媒体 | 幅広い母集団形成、初期費用で複数採用可能 | 運用工数がかかる、専門性の担保が難しい | 汎用職種、複数名採用、自社の魅力が伝えやすい場合 |
| 採用代行 | 採用プロセス全体の支援、戦略設計から実行まで | 継続的なコストがかかる | 採用体制が未整備、採用力を強化したい場合 |
新卒採用における人材紹介と採用代行サービスの違い

ここまで人材紹介サービスについて解説してきましたが、新卒採用を行う企業にとっては、人材紹介とは異なる採用支援の選択肢も検討する価値があります。
特に中小企業における新卒採用では、人材紹介サービスとは異なるアプローチが必要となるケースが多いです。
人材紹介サービスは、基本的に中途採用や即戦力人材の採用に強みを持っています。
医療・介護分野であれば、既に資格を持ち実務経験のある看護師や介護職員といった人材とのマッチングが中心です。
既に形成された人材プールの中から、企業のニーズに合う候補者を紹介するというビジネスモデルとなっています。
一方、新卒採用にはこれとは異なる課題があります。
まず、母集団形成そのものが大きな課題です。
知名度の低い中小企業が新卒学生から応募を集めること自体が難しく、そもそも自社を知ってもらうところから始める必要があります。
学生視点での自社の魅力づけも重要な課題です。 企業側が考える自社の強みと、学生が魅力に感じるポイントは必ずしも一致しません。
学生の目線に立って、自社の魅力を再構築し、適切に伝える必要があるのです。
こうした新卒採用特有の課題に対応するのが、新卒採用に特化した採用代行サービスです。
新卒採用代行サービスの特徴は、学生視点でのコンテンツ制作を得意としている点にあります。
採用サイトや会社紹介動画、説明会資料など、学生に響くコンテンツを学生目線で制作できることは大きな強みです。
学生人事は、学生が企業と伴走して新卒採用を後押しする採用代行サービスです。
学生目線で採用活動を行うことができるため、学生の興味を惹くサイト・動画・資料などのコンテンツ制作に強みがあります。
インターンの企画運営から内定者フォローまで、新卒採用のプロセス全体を一気通貫でサポートできる点が特徴です。
学生という当事者の視点を持つからこそ、本当に学生に響く採用活動を設計できます。 学生が「この会社で働きたい」と思える魅力の伝え方や、学生との信頼関係の築き方を熟知しているのです。
新卒採用において、学生の視点を取り入れた採用活動を行いたい企業にとって、学生人事のようなサービスは有力な選択肢となります。
まとめ|自社の採用課題に合わせた最適な採用手法の選択を

株式会社エス・エム・エスは、医療・介護分野の人材紹介において高い専門性と豊富な実績を持つ企業です。
医療従事者キャリアパートナーによる質の高いマッチングや、独自の研修プログラム、採用後の定着支援など、総合的なサービスを提供しています。 中途採用や専門職採用においては、強力なパートナーとなり得るでしょう。
一方で、新卒採用には人材紹介とは異なるアプローチが必要です。学生視点でのコンテンツ制作やインターン企画、内定者フォローなど、新卒採用特有の課題に対応できるサービスを選ぶことが重要となります。
採用課題に応じて適切なサービスを選択・併用することが、採用成功の鍵です。
専門職や経験者の採用には人材紹介を、新卒採用には学生視点を持つ採用代行サービスを活用するなど、それぞれの強みを活かした採用戦略を構築しましょう。