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リファラル採用の報酬は違法?適法にするための条件と注意点

人材紹介採用代行新卒採用 投稿日: 2026年3月20日

「リファラル採用で社員に報酬を渡すのは違法では?」と不安を感じている採用担当者の方は少なくありません。

リファラル採用の報酬は条件を満たせば適法ですが、「誰に」「どのように」支払うかによって、法律上の扱いが大きく異なります。

この記事では、混同されやすい「紹介した従業員への報酬」と「採用された本人への報酬」の違いを整理した上で、職業安定法の要件・報酬相場・制度整備の注意点までを解説します。

新卒採用でリファラルを活用したい中小企業の採用担当者の方は、ぜひ最後まお読みください。

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リファラル採用の報酬が「違法になる場合」とは

リファラル採用の報酬をめぐる問題は、根拠となる法律を理解することで整理できます。

まず「何が禁止されていて、何が認められているのか」を法律の条文レベルで確認しておきましょう。

職業安定法第40条が定める原則禁止の内容

リファラル採用の報酬に関して最も重要な法律が、職業安定法第40条です。

同条では、「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するものに対し、報酬を与えてはならない」と定められています。

つまり、会社が従業員を通じて求人の紹介活動をさせる際、その従業員に報酬を渡すことは原則として禁止されています。

ただし、同条には例外規定があります。

「賃金・給料その他これらに準ずるものを支払う場合」は許容されており、給与や賞与として支給する形式であれば違法にはなりません。

また、職業安定法第30条では、有料の職業紹介事業を行う場合には厚生労働大臣の許可が必要であると定めています。

社員が「業として」人材紹介を行っていると判断されると、この条文にも抵触するおそれがあるため、報酬の設計には慎重さが求められます。

違反した場合、同法第65条により6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

「紹介した従業員への報酬」と「採用された本人への報酬」は別問題

実務上で最も混同されやすいのが、この2つの違いです。

職業安定法第40条が規制するのは、紹介活動を行った従業員への報酬です。

一方、採用された本人に対して会社が入社祝い金などを支払うことは、同条の規制対象とは異なります。

ただし、採用された本人への報酬については別の論点があります。

2021年4月の職業安定法改正以降、転職エージェントなどの職業紹介事業者が就職お祝い金を提供することは原則禁止となりました。

さらに2025年4月の改正では、求人メディアを含む募集情報等提供事業者にも同様の規制が拡大されています。

ただし、これらの規制はあくまで職業紹介事業者や募集情報等提供事業者に対するものであり、採用企業が自社の入社者に対して祝い金を支払うこと自体は禁止されていません。

会社が自社社員に賃金・賞与として支払うのであれば、就業規則等への記載を条件に適法となります。

整理すると、以下のようになります。

支払いの対象法的な扱い適法にするための条件
紹介した従業員(紹介者)原則禁止(職安法第40条)賃金・給与・賞与として就業規則に明記
採用された本人採用企業からの支払いは禁止されていない賃金規程への記載・賞与支払届の提出

報酬を適法に支払うための2つの条件

リファラル採用の報酬を違法にしないためには、形式と金額の両面で要件を満たす必要があります。

どちらか一方だけでは不十分なため、セットで確認しておきましょう。

条件① 賃金・給与の形式で支払い、就業規則に明記する

職業安定法第40条の例外として認められているのは、「賃金・給料その他これらに準ずるもの」として支払う場合です。

つまり、リファラル採用の報酬は給与手当や賞与として支給する必要があります。

「現金を手渡した」「個人的にお礼をした」という形では法的保護を受けられません。

また、労働基準法では賃金に関する事項を就業規則の絶対的必要記載事項と定めているため、支払い条件・支給額・支払い時期を就業規則または賃金規程に必ず記載する必要があります。

従業員が常時10人以上の企業では、就業規則を変更した際に従業員への周知と行政官庁への届出が義務付けられています。

10人未満の場合でも、労働トラブルを防ぐ観点から規程を整備しておくことが望ましいでしょう。

条件② 高額すぎる報酬は事業とみなされるリスクがある

仮に賃金・給与として支払う形式を整えていても、報酬額が著しく高額の場合は問題が生じます。

職業安定法第30条では、有料の職業紹介事業には厚生労働大臣の許可が必要と定めています。

社員への報酬が高額になると、その社員が「業として人材紹介を行っている者」とみなされ、同条に抵触するおそれがあります。

金額の目安として、一般的に人材紹介会社に支払う報酬は採用者の理論年収の30〜40%程度が相場とされています。

リファラル採用の報酬はこれを下回る水準、おおむね年収の30%未満に抑えることが望ましいと考えられます。

リファラル採用の報酬額の相場と設定方法

「適法にする方法はわかったが、実際いくら払えばいいか」という疑問に答えます。

相場感と設定の考え方を把握しておくことで、社内で説明しやすい制度を作ることができます。

相場は1万〜29万円が中心

株式会社TalentXの調査によると、リファラル採用の報酬額は1万〜29万円の範囲に設定している企業が全体の約8割を占めています。

報酬なしと回答した企業も約14%存在しており、金品以外の形(有給休暇の追加・ギフト券など)で感謝を示す企業も見られます。

中途採用では職種の希少性や年収水準に合わせて高めに設定されるケースもありますが、新卒採用の場合は採用単価がもともと低いため、報酬額もより低めに設計するのが一般的です。

報酬額の設定方法(職種・雇用形態・勤続期間)

報酬額の設定方法は、自社の採用課題に応じて複数のアプローチが考えられます。

一つ目は現在の採用単価と比較して設定する方法です。

求人媒体の掲載費や人材紹介会社への成功報酬と比較して、コスト削減につながる範囲で設定します。

二つ目は職種やスキルに応じて変える方法です。

採用難易度の高いポジションの紹介には高い報酬を設定することで、社員の協力意欲を高められます。

三つ目は勤続期間に応じて支払う方法です。

「紹介者が入社後6か月以上在籍した場合に支給」という条件を設けることで、早期離職のリスクを抑えながら制度を運用できます。

特に新卒採用では、入社後の定着率を意識した設計が重要になります。

制度整備の際の3つの注意点

報酬制度の骨格ができたら、運用上の注意点も確認しておく必要があります。

特に税務・社会保険の処理は見落としがちなポイントです。

注意点① 就業規則・賃金規程への記載と届出

前述の通り、リファラル採用の報酬は就業規則または賃金規程に必ず記載します。

記載すべき事項は、支給対象・支給条件・支給額・支払い時期の4点です。

就業規則に「リファラル採用による人材紹介は業務の一環であり、その対価として賃金を支給する」と明示することで、「業として職業紹介を行っている」とみなされるリスクを低減できます。

常時10人以上の従業員を雇用している企業は、就業規則の変更後に従業員への周知と労働基準監督署への届出を忘れずに行いましょう。

注意点② 報酬の課税処理と勘定科目

リファラル採用で受け取った報酬は、社員の所得として所得税・住民税の課税対象となります。

給与台帳への正確な反映と、源泉徴収の処理が必要です。

勘定科目については、社員が業務時間内に紹介活動を行った場合は「給与手当」、業務時間外の場合は「支払手数料」または「紹介手当」として仕訳するのが一般的です。

採用された本人への祝い金を賞与として支払う場合は、年金事務所への賞与支払届の提出も必要となるため、忘れずに対応しましょう。

注意点③ 報酬の支払い時期(社会保険への影響)

リファラル採用の報酬を渡すタイミングにも注意が必要です。

社会保険料の等級は、4月・5月・6月に支払われた賃金の平均額をもとに決定される仕組みになっています。

この時期に報酬を支払うと、社員の標準報酬月額が上昇し、社会保険料の等級が上がる可能性があります。

結果として社員の手取りが減少するため、報酬の支払い月は7月以降や年末など、算定対象外の時期に設定することを検討しましょう。

新卒採用でリファラルを活用する際の課題

ここまで紹介した内容の多くは中途採用を前提としたものです。

新卒採用でリファラルを取り入れる場合は、構造上の違いから追加で考慮すべき論点があります。

学生・アルバイトが紹介者になる場合の扱い

新卒採用のリファラルでは、社員だけでなくアルバイトや学生インターンが紹介者になるケースも想定されます。

この場合、報酬を支払う対象が「就業規則の適用対象外」になっている可能性があります。

アルバイトや契約社員も対象とする場合は、それぞれの雇用形態に応じた規程の整備が必要です。

また、学生インターン生への報酬支払いは、雇用契約の有無や業務内容によって取り扱いが変わるため、社会保険労務士などの専門家に確認することをおすすめします。

アルバイトからの紹介は非正規雇用の性質上、離職が早くなりやすい傾向があります。

勤続期間を条件とする報酬設計にすることで、定着率と紹介の質を同時に高める工夫が可能です。

新卒採用でリファラルが難しい理由と採用代行という選択肢

新卒採用においてリファラルは有効な補完手段ですが、それだけで採用を完結させることは容易ではありません。

中途採用と異なり、新卒学生の人脈は限られており、紹介できる母数が少ないという構造的な課題があります。

また、スカウト媒体の運用・説明会の企画・内定者フォローといった一連の業務は、担当者1名では回しきれないことも多いでしょう。

そこで注目されているのが、現役学生が採用活動を伴走支援する採用代行サービスです。

学生の視点でスカウト文面を作成し、学生が興味を持ちやすいコンテンツや説明会を企画することで、応募数の底上げと内定辞退率の低下が期待できます。

リファラル採用と並行して採用代行を活用することで、母集団形成から内定者フォローまでをトータルで強化することが可能です。

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リファラル採用の報酬に関するよくある質問

Q
厚生労働省はリファラル採用の報酬についてどのような見解を示しているか
A

厚生労働省は職業安定法第40条に基づき、募集に従事する従業員への報酬支払いを原則禁止としています。

ただし「賃金・給料その他これらに準ずるもの」として支払う場合は例外として認められており、賃金規程への明記と適正な金額設定を行うことが指針に沿った運用となります。

Q
就業規則・賃金規程のひな形はどこで入手できるか
A

厚生労働省が運営する「モデル就業規則」を参考にすることができます。

リファラル採用の報酬に特化した規程例は少ないため、社会保険労務士に依頼してオリジナルの規程を作成してもらうことが最も確実です。

採用制度の整備を機に、就業規則全体を見直す企業も少なくありません。

Q
賞与として支払う場合、賞与支払届は必要か
A

必要です。

社会保険の被保険者に対して賞与を支払った場合、事業主は支払い日から5日以内に年金事務所へ「被保険者賞与支払届」を提出する義務があります。

リファラル採用の報酬を賞与として処理する場合も同様の手続きが求められるため、支払いと同時に届出の準備を進めましょう。

まとめ

リファラル採用の報酬が違法になるかどうかは、職業安定法第40条の例外要件を満たしているかどうかで判断されます。

適法に運用するための要点を整理すると、次の3点に集約されます。

  • 報酬は給与・賞与などの賃金として支払い、就業規則または賃金規程に条件を明記すること
  • 金額は人材紹介会社への報酬相場(採用者年収の30〜40%)を下回る水準に抑えること
  • 課税処理・社会保険・賞与支払届など、付随する実務手続きを確実に行うこと

新卒採用でリファラルを活用する際は、アルバイトや学生インターンへの対応も含めて規程を整備することが必要です。

リファラル採用はあくまで採用活動の一手段です。

母集団形成・スカウト運用・内定者フォローといった採用活動全体を効率化したい方は、学生視点で伴走する採用代行サービスの活用もご検討ください。

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