少子高齢化による深刻な人手不足を背景に、外国人採用を検討する中小企業が急増しています。しかし、外国人採用は在留資格の確認や言語の壁など、日本人採用とは異なる課題が多く、多くの企業が人材紹介会社を活用しています。
この記事では、外国人人材紹介サービスの基礎知識からおすすめの15社、失敗しない選び方まで、採用担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。新卒採用で外国人人材の活用を考えている中小企業の方は、ぜひ最後までご覧ください。
外国人人材紹介サービスとは?基本を理解する

外国人人材紹介サービスを活用する前に、まずはサービスの基本的な仕組みを理解しておきましょう。適切な知識を持つことで、自社に最適なサービスを選択できるようになります。
外国人人材紹介サービスの概要
外国人人材紹介サービスとは、外国人を採用したい企業と日本で働きたい外国人求職者をマッチングし、雇用契約の成立までをサポートするサービスです。人材紹介会社は企業と求職者の間に立ち、双方の希望条件を調整しながら最適なマッチングを実現します。
このサービスを有料で提供する場合は「有料職業紹介事業」に該当し、厚生労働大臣の許可が必要です。許可を得ていない企業による人材紹介は違法行為となります。人材紹介会社を選ぶ際は、必ずホームページに記載されている許可番号を確認しましょう。厚生労働省のウェブサイトで許可番号を入力すれば、正式に認可された事業者かどうかを調べることができます。
なお、港湾運送業務や建設業務に就く職業については、有料職業紹介事業での紹介が法律で禁じられている点にも注意が必要です。
人材紹介サービスの種類
外国人人材紹介サービスは、主に「一般紹介・登録型」と「サーチ型」の2つに分類されます。
一般紹介・登録型は、人材紹介会社が保有する登録者のデータベースから、企業の採用条件に合う人材を紹介する方式です。この方式はさらに2つのタイプに分かれます。総合タイプは幅広い業種や職種を取り扱っており、様々な人材ニーズに対応できます。一方、専門タイプは特定の業界や職種に特化しており、その分野における深い知識とネットワークを持っています。多くの人材紹介会社はこの一般紹介・登録型のサービスを提供しています。
サーチ型は、自社が保有する登録者データベースだけでなく、他社のデータベースやSNS、専門の掲示板などを活用して幅広く候補者を探す方式です。ヘッドハンティングやスカウトとも呼ばれ、特に高度な専門性を持つ人材や経営層の採用で活用されます。
料金体系と相場
外国人人材紹介サービスの多くは成功報酬制を採用しており、外国人の入社が決定した時点で報酬が発生します。採用できなかった場合は費用が発生しないため、企業にとってリスクの少ない料金体系といえます。
紹介手数料は、採用した外国人人材の初年度理論年収に料率をかけた金額となります。初年度理論年収とは、年間の給与、残業代、各種手当(交通費を除く)、賞与、成功報酬の合算額を指します。料率は35パーセントが相場ですが、職業安定法により賃金6ヶ月分の11パーセント以下と上限が定められています。
ただし、職種によっては料率が変動することもあります。ITエンジニアなど採用難易度が高く企業からのニーズが強い職種では、50パーセント程度の手数料が設定されるケースもあります。
また、多くの人材紹介会社では返還金規定を設けています。これは採用した外国人が早期退職してしまった場合に、紹介手数料の一部が返金される制度です。返還額は在籍期間によって変わるため、契約前に必ず確認しておきましょう。
外国人人材紹介サービスおすすめ15選【2025年最新版】

ここからは、外国人採用で実績のある人材紹介サービス15社をご紹介します。各社それぞれに強みや特徴があるため、自社のニーズに合ったサービスを見つける参考にしてください。
| 会社名 | 主な強み | 対応職種 | 対応国籍 | 雇用形態 |
| ウィルオブ | 製造・物流・介護に強い | 製造、物流、介護、宿泊、外食 | ベトナム、ミャンマー、インドネシアなど | 正社員、派遣、特定技能、技能実習 |
| マイナビグローバル | 新卒外国人留学生22,000名以上 | 機械、電気、情報工学、土木建築系 | 留学生、ベトナム、ミャンマーなど | 正社員 |
| Bridgers | 内定承諾率92% | 営業、購買、機電系、IT系 | 台湾、韓国、ベトナム、インドネシアなど | 正社員(新卒・中途) |
| ゴーウェル | 登録者8,000人以上 | ホテルフロント、技術職、特定技能職 | ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマーなど | 正社員、派遣 |
| グローバルパワー | 134ヶ国約4万人のデータベース | 営業、事務、接客、販売、専門職、技術職 | 134ヶ国 | 正社員、派遣 |
| タレントアジア | 特定技能管理システム提供 | 特定技能全般 | ベトナムなどアジア圏中心 | 正社員 |
| 外国人求人ネットACE | 137ヶ国6万人以上の登録者 | 全職種対応 | 91ヶ国以上 | 正社員、派遣 |
| TOHOWORK | 保証期間6ヶ月 | 建設業務・港湾運送業務以外の全職種 | ベトナム | 正社員、契約社員 |
| Funtoco | 介護・サービス業特化 | 介護、宿泊、外食 | ミャンマー、インドネシア | 正社員、派遣 |
| Grasp | 平均離職率約2% | 全職種 | ベトナムなど | 正社員、アルバイト |
| YOLO JAPAN | 226ヶ国25万人以上のユーザー | 外食、宿泊、受付、事務 | 226ヶ国 | 正社員、派遣、アルバイト |
| グローアップ | ビジネスマナー研修実施 | 外食、サービス、食品工場、介護、物流 | アジア圏中心 | 正社員、パート、アルバイト |
| JELLYFISH | ITエンジニア特化 | ITエンジニア | 台湾、メキシコ、インドネシアなど48ヶ国以上 | 正社員 |
| グッドマンサービス | 中国語圏に強い | 全職種 | 中国、台湾など中国語圏中心 | 正社員、派遣 |
| Daijob.com | バイリンガル人材71万人登録 | 全職種 | 英語・中国語圏中心 | 正社員 |
ウィルオブ
東証プライム市場上場企業のウィルグループが運営する人材サービス会社です。外国人登録者数は3万人以上を誇り、特に食品工場、物流倉庫、建設などの分野を得意としています。紹介可能な在留資格の幅が広く、外国人永住者や定住者、特定技能外国人、技能実習生、技術・人文知識・国際業務の外国人など、あらゆる課題に合わせた人材紹介が可能です。
ベトナム、ミャンマー、インドネシアなど幅広い国籍に対応しており、来日後の住まいや携帯電話の契約などをサポートするサービスも提供しています。
マイナビグローバル
マイナビグループの外国人採用専門サービスで、新卒の外国人留学生の登録が22,000名以上と豊富です。日本在住者が多いためN1レベルの日本語能力を持つ人材が多く、機械、電気、情報工学、土木建築系などの技術職の紹介を得意としています。ミャンマーやベトナムの現地学生の紹介も可能で、登録支援機関としての機能も兼ね備えています。コンプライアンスを重視した運営体制が特徴です。
Bridgers
株式会社リーラコーエンジャパンが運営する外国人採用サービスで、一社単独の採用面接会を開催する独自の採用手法が特徴です。過去の内定者は約3,700人を超え、内定承諾率は92パーセントと非常に高い実績を誇ります。東南アジアに5つの拠点を持つネットワークと、海外経験のある担当者による専門的なサポートが強みです。営業や購買などのオフィスワーク職、機電系やIT系の技術職の紹介を得意としています。
ゴーウェル
7,000社以上の導入実績があり、登録者数も8,000人以上でほとんどが日本語可能な人材です。企業の条件に合う候補者をスタッフが事前に面接代行し、意欲のある候補者の中から比較検討できるため、マッチ度の高い人材を採用できます。
銀座で日本唯一の外国人向け採用カフェ「GOWELL TOWN 銀座」を運営しており、毎月1,000名以上の外国人就職希望者が来店しています。
グローバルパワー
20年以上の実績を持つ高度人材特化型の人材紹介会社です。134ヶ国約4万人の外国人データベースを保有し、日本語がビジネスレベル(N1やN2)で日本の商習慣を理解した社会人や中途の外国人材を中心に紹介しています。
営業や事務系、接客や販売、専門職、技術職など幅広い職種に対応可能です。外国人雇用や外国人マネジメント、異文化コミュニケーションが学べる研修や講習の実施、オンライン翻訳サービスなど多様なサービスを展開しています。
タレントアジア
特定技能外国人の情報を一括管理できる「TalentAsiaシステム」を提供している点が特徴です。入管書類の作成や保管を効率化でき、登録支援機関など外部機関に委託せず自社で支援や管理をする企業に適しています。シンプルでわかりやすい操作画面のため、申請や届出に必要な書類の作成をスムーズに進められます。
特定技能人材採用を強化していきたい企業におすすめです。
外国人求人ネットACE
16年以上にわたり外国人専門の人材紹介会社として培ったノウハウと実績を活かし、137ヶ国6万人を超える高度外国人の登録者の中から人材を選定できます。外国人採用に関する実績を持つ専門コンサルタントに相談できるため、初めて外国人人材の採用を行う企業も安心して依頼できます。あらゆるニーズに対応可能な幅広いデータベースが強みです。
TOHOWORK
求職者個々人の能力や経験などから適性を見極めたうえで人材を紹介してもらえます。紹介可能な職種の範囲は、法律で定められている建設業務と港湾運送業務を除く全ての職種に対応可能です。
一般的には入社後3ヶ月の保証期間を設けている会社が多い中、TOHOWORKでは保証期間を6ヶ月設けており、入社後もSNSなどによる定期サポートを行っています。早期退職によるリスクを大幅に低減できる点が魅力です。
Funtoco
ミャンマーとインドネシア国籍の優秀な人材を紹介することに特化した人材紹介会社です。介護や宿泊、外食などのサービス業で活躍できる人材の紹介に強みを持ち、現地の大学や日本語学校とのネットワークを活用しています。特定技能ビザ「介護」の実績が最も多く、社会福祉法人や医療法人などと取引し、外国人人材採用と定着のサポートに貢献しています。
Grasp
創業90年の大東企業グループが運営する外国人人材紹介サービスです。在留資格取得や外国人の生活支援などの採用トータルサポートが特徴で、2020年と2021年度においては平均離職率約2パーセントと非常に低い離職率を実現しています。
企業理解を促進する事前面談を2回から3回実施することで、平均企業面接通過率70パーセントという高い実績を残しています。
YOLO JAPAN
国内在住の外国人向け求人情報や暮らしに関する様々なサービスを提供する外国人向け会員メディアです。現在226ヶ国25万人以上のユーザーが登録しています。外食業や宿泊業、受付、事務など様々な業種の人材を見つけられます。
人材紹介型というよりは求人を出して応募を待つ方式ですが、YOLO JAPANが実施している日本語研修や職種に合わせた研修を受けた優秀な人材を採用できます。
グローアップ
人材紹介以外に、キャリアセミナーや翻訳サービスを展開しています。求職者は留学生間のクチコミと学校や教育機関からの紹介を中心に募集しており、WEB上での人材募集をほとんど行っていない点が特徴です。単純な人材紹介のみで終わらせず、紹介後のアフターケアも手厚いことで知られています。留学生を中心とした外国人向けのビジネスマナー研修に特に力を入れています。
JELLYFISH
即戦力の外国人ITエンジニア採用を得意としている企業です。SNSを活用したダイレクトリクルーティングで転職潜在層にリーチすることで、企業の要望に沿った人材を集客しています。日本では採用難易度の高いAI、ブロックチェーン、IoT、ロボット等のエンジニアを紹介できる強みを持っており、高度な技術力を持つ外国人エンジニアを求める企業に最適です。
グッドマンサービス
日本語能力の高い外国人の人材紹介が可能な会社です。採用が決定するまで求人掲載料など料金が一切掛からないほか、紹介料も業界最低水準とコストパフォーマンスの高さに特徴があります。
中国と台湾を始め中国語圏が中心で、ビザの申請や更新など外国人雇用のサポートにも対応しています。費用を抑えながら質の高い人材を採用したい企業に向いています。
Daijob.com
グローバル人材の転職や求職、人材紹介に強みをもつヒューマングローバルタレント株式会社が展開するサービスです。経験(スキル)と語学力を兼ね備えたバイリンガル即戦力人材が累積約71万人登録しており、求める人物像へのダイレクトリクルーティングも可能です。英語と中国語圏の人材が中心で、グローバルビジネスを展開する企業に適しています。
外国人採用で人材紹介会社を使う5つのメリット

外国人採用において人材紹介会社を活用する企業が多い理由は、明確なメリットがあるからです。ここでは、人材紹介会社を利用することで得られる5つの主要なメリットを解説します。
採用の確実性が高い
人材紹介会社を利用する最大のメリットは、採用の確実性が高まることです。求人媒体の活用や自社サイトでの募集も選択肢として考えられますが、外国人採用においては日本人採用ほど応募が集まらないのが現状です。
特に求人媒体では、外国人の日本語能力の問題や海外における媒体の知名度が低いことが障害となっています。日本の四年制大学に留学している学生の場合は日本語が堪能で就職活動の文化も理解しているため新卒採用サイトを活用しますが、求人媒体を見て応募するという文化が浸透していない国も多く存在します。
人材紹介会社は常時求職者を確保しているため、複数人を採用したい場合や期限内に必ず採用したい場合に非常に有効です。データベースから条件に合う人材をスピーディに紹介してもらえるため、採用活動の成功率が格段に上がります。
採用業務の効率化と負担軽減
人材紹介会社を利用することで、採用活動の業務効率化と担当者の負担を大幅に軽減できます。日本人の採用と同様に、外国人を採用する際も面接の設定や応募者への連絡などの調整作業が発生します。
さらに外国人採用特有の負担として、日本人とのやり取りよりも時間と手間がかかってしまう点があります。外国人本人の日本語能力によって理解に差があるため、丁寧にコミュニケーションをとったり、日本の採用や雇用ルール、在留資格関連の説明をしたりする必要があるからです。
これらの業務を人材紹介会社に一括して任せることで、採用担当者の工数を削減できるだけでなく、結果として選考スピードを速めることにもつながります。人材紹介会社は経験から外国人とのコミュニケーションに慣れているため、任せておけばスムーズに進行するでしょう。
外国人雇用のルールを教えてもらえる
特に初めて外国人人材の採用を行う場合、外国人採用や雇用におけるルールを人材紹介会社から学べる点は大きなメリットです。外国人を雇用する際には独自のルールがあり、特に在留資格にまつわる部分は非常に複雑です。
雇用してはいけない就労不可の在留資格や、就労内容や範囲が限定されている場合もあり、守らなければ違法となってしまう可能性もあります。不法就労助長罪として企業が処罰される危険性もあるため、正確な知識が必要不可欠です。
人材紹介会社を通じて採用する場合は、これらの法律やルールを一緒にチェックしながら採用活動ができます。ノウハウを持った外国人採用に詳しい人材紹介会社であれば、初めての外国人採用でも安心して任せることができるでしょう。
在留資格申請のサポート
外国人採用では在留資格の申請が必要な場合があります。新たに技術や人文知識、国際業務の在留資格を取得する必要がある場合や、特定技能の人材を雇用する場合などが該当します。
外国人が自分で申請すればよいと思われるかもしれませんが、実はこれらの申請には企業も書類の提出が必要です。また特定技能外国人の場合は企業が提出する書類の数が特に多いことや、外国人本人の日本語能力を考慮すると企業のサポートが求められます。企業がサポートすることで入社時期をできるだけ早くできるという利点もあります。
多くの人材紹介会社では在留資格申請のサポートを提供しており、複雑な申請書類の準備を支援してもらえます。特に初めて特定技能外国人を採用する場合は、在留資格申請のサポートが受けられる点は非常に大きなメリットといえるでしょう。
外国人視点での求人の魅力訴求
人材紹介会社を活用することで、外国人にとって魅力的に映る企業のポイントを求職者へ効果的に伝えてもらえます。外国人労働者の需要は年々高まっているため、いつでもどんな企業でも良い人材が採用可能というわけではありません。日本人採用と同じように、入社したいと思える企業の魅力を提示していく必要があります。
求人媒体の場合は掲載のフォーマットが決まっているため、アピールできる部分は他社と同じになってしまいます。しかし人材紹介会社を経由している場合は、担当者が外国人にとって魅力的に映る企業のポイントを求職者へ伝えます。
また、第三者の立場から企業側では気づけない「外国人にとって魅力的な条件」や、逆に不人気になってしまう部分の指摘も得られます。寮の用意がある、残業が多い、すでに外国人採用の実績があるなどは、実は外国人にとってメリットだったりします。このようなノウハウを使ったサポートを受けることで、採用活動をよりスムーズに進められるでしょう。
外国人採用で人材紹介会社を使う際の注意点
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人材紹介会社を活用する際には、いくつか注意しておくべきポイントがあります。事前に理解しておくことで、トラブルを回避し、スムーズな採用活動を実現できます。
就労ビザ取得に時間がかかる
外国人が日本で就労するためには、在留資格(就労ビザ)の取得が必要です。ビザの種類によって取得日は異なりますが、申請から取得まで約1ヶ月から3ヶ月かかります。採用が決まった後に資格取得申請を行うため、スケジュールに余裕をもって採用活動を行う必要があります。
外国人がすでに取得している在留資格と同業種であれば新たに申請する必要がない場合もありますが、就労できる業務内容が制限されている場合もあるため確認が必要です。入社日に間に合うよう、できるだけ早く準備を進めることをおすすめします。
特に繁忙期前に人材を確保したい場合は、ビザ取得期間を考慮した採用スケジュールを立てることが重要です。人材紹介会社と相談しながら、現実的なスケジュールを組み立てましょう。
文化・習慣の違いによるトラブル
文化や習慣の違いは、時にトラブルに発展する場合があります。外国人と日本人は労働に対する価値観が異なり、日本ほど時間を厳格に守る習慣がない国出身の外国人が頻繁に遅刻や無断欠勤をしてしまい、他の従業員と衝突してしまうといった問題が起こることもあります。
また、宗教への配慮も重要です。労働基準法第3条では、使用者は労働者の国籍や信条、社会的身分を理由として賃金や労働時間その他の労働条件について差別的取扱をしてはならないと定められています。イスラム教の場合は豚肉を食べてはいけないという宗教上の決まりがあるため、社内の食堂や会社の近隣で宗教に配慮された食事が提供される場所があるか確認しておくことが大切です。
頭ごなしに叱るのではなく、それぞれの国の習慣を理解し、問題が発生した場合にスムーズに解決できるよう、事前に日本人従業員にも理解を得ておくことをおすすめします。
早期退職のリスク
外国人は日本人と転職に対する意識が異なるため、気に入らないとすぐに会社を辞めてしまうことがあります。日本では終身雇用や年功序列といった言葉があるように、一つの会社で長年勤め上げることが一般的です。
一方、外国ではそれぞれが専門分野を持ち、ライフステージに合わせて専門スキルを活かした転職を繰り返すことが一般的とされています。会社にどれだけ愛着があったとしても、文化的な違いから「環境を変えたい」「もっと自分の力を活かしたい」などの理由で辞めてしまうこともあります。
対策としては、キャリアパスやビジョンを予めきちんと共有しておくことが重要です。また、人材紹介会社と契約する際は、返還金規定を必ず確認しましょう。早期退職が発生した際に紹介手数料の一部が返金されるため、企業側のリスクを軽減できます。
日本語能力のレベル確認
スキルや経歴が充分な外国人でも、日本語能力が不十分で即戦力にならない場合があります。企業に外国人を候補者として紹介してもらう場合には、日本語能力検定のレベルを確認しておきましょう。
日本語能力検定では日本語能力のレベルが「N1」から「N5」と設定されています。このうち「N1」や「N2」は幅広い場面で使われる日本語を理解できる、またはある程度理解できるレベルであるため、日本語力の証明として有効です。
業務内容によって必要な日本語レベルは異なります。顧客対応が多い職種であればN1レベルが望ましく、工場などの現場作業が中心であればN2やN3レベルでも対応可能な場合があります。人材紹介会社と相談しながら、自社の業務に適した日本語レベルを設定しましょう。
失敗しない外国人人材紹介会社の選び方【7つのポイント】
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数多くの人材紹介会社から自社に最適なサービスを選ぶことは簡単ではありません。ここでは、失敗しない人材紹介会社の選び方を7つのポイントに分けて解説します。
有料職業紹介事業の許可を取得しているか
人材紹介会社を選ぶ際に最初に確認すべきことは、有料職業紹介事業の許可を取得しているかどうかです。許可を得ていない企業による人材紹介は違法行為であり、そのような会社を利用した企業も責任を問われる可能性があります。
多くの人材紹介会社はホームページに許可番号を記載しています。その番号を厚生労働省のウェブサイトで検索すれば、正式に認可された事業者かどうかを確認できます。契約前に必ず許可の有無を確認し、信頼できる会社かどうかを見極めましょう。
また、過去に違法な紹介を行っていないか、採用活動中に違法行為を提案されていないかなども注意深くチェックする必要があります。在留資格が不適格な人材を紹介された場合、採用した企業も不法就労助長罪として罰せられる可能性があるため、慎重な見極めが重要です。
採用したい業種・職種の実績があるか
人材紹介会社によって得意とする業種や職種は大きく異なります。自社が採用したい業種や職種での紹介実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。介護職や宿泊業界の人材しか紹介していない会社もあれば、ITエンジニアに特化した会社もあります。
まったく違う分野しか扱っていない場合は紹介してもらえませんし、紹介してもらえたとしても応募者数が非常に少なく、結果的に採用できるまでに時間がかかったりします。特に新卒採用を検討している場合は、新卒採用の実績があるか、中小企業への紹介実績があるかを確認しましょう。
毎年どれほどの人数を紹介できているのか、自社が希望する人材を紹介できるだけの実績を出しているのかなどを問い合わせて確認することをおすすめします。
希望する国籍の人材を扱っているか
各国で雇用のルールが定められていることから、それらに詳しい紹介会社を利用するとスムーズです。人材紹介会社によって対応可能な国籍は異なります。ベトナムやインドネシアなど東南アジアに強い会社もあれば、中国や台湾など中国語圏に特化した会社もあります。
フィリピンなどは現地での手続きだけでなく、日本で企業がフィリピン大使館へ赴き英語で面接を受けるなどの対応が必要となります。このような各国特有の手続きに精通している人材紹介会社を選ぶことで、採用プロセスをスムーズに進められます。
また、現地にネットワークを持っているかどうかも重要なポイントです。現地の大学や日本語学校とのつながりがあれば、優秀な人材を紹介してもらえる可能性が高まります。
登録者数とデータベースの質
人材紹介会社が保有する登録者数の規模は、採用の選択肢の広さに直結します。登録者数が多いほど、自社の条件に合う人材を見つけられる可能性が高まります。ただし、単純に登録者数が多ければよいというわけではなく、データベースの質も重要です。
日本語能力レベルの分布や在留資格の内訳を確認しましょう。N1やN2レベルの日本語能力を持つ人材が多く登録されているか、自社が必要とする在留資格を持つ人材がどの程度いるかなどを問い合わせることをおすすめします。
また、データベースの更新頻度も重要です。登録者が常に最新の情報に更新されているか、休眠状態の登録者が多く含まれていないかなども確認ポイントです。
特定技能外国人を採用する場合は登録支援機関かどうか
特定技能外国人を雇用する場合、制度上、義務的支援を行う必要があります。義務的支援とは特定技能外国人が日本で生活するにあたってサポートが必要な部分を制度上規定したもので、基本的には雇用する企業が実行します。
しかし、これを登録支援機関という機関に委託することが可能です。人材紹介会社は登録支援機関を兼ねている場合もあるので、これをチェックしてみてください。義務的支援は入社する前の段階から発生するため、紹介会社が登録支援機関でもある場合はそのまま支援を委託できると非常にスムーズです。
また、初めて外国人を採用する企業では、必ず登録支援機関に委託しなければならないため、登録支援機関を兼ねている人材紹介会社を選ぶことを強くおすすめします。
費用対効果と返還金規定
紹介手数料の料率は人材紹介会社によって異なります。一般的な相場は初年度理論年収の35パーセントですが、職種や人材の希少性によって変動します。費用だけで選ぶと失敗しやすい傾向にありますが、費用対効果を検討することは非常に重要です。
費用よりもまずは紹介実績があるかどうかをチェックし、そのうえで料率が適切かどうかを判断しましょう。安さだけを売りにしている紹介会社は実績が少ない場合があり、希望の人材がなかなか集まらないということがあります。
また、返還金規定の内容も必ず確認してください。早期退職が発生した際の返金制度で、保証期間が3ヶ月の会社もあれば6ヶ月の会社もあります。保証期間が長く、返還率が高い会社のほうが、企業側のリスクは低減されます。
採用後のサポート体制
採用が決定した後のサポート体制も重要な選定ポイントです。外国人の定着支援を行っている人材紹介会社であれば、入社後のトラブルを未然に防いだり、早期退職を防止したりできます。
定期的な面談を実施してくれる会社や、SNSなどで継続的にフォローしてくれる会社であれば、外国人が抱える悩みや不安を早期に発見し、対処できます。また、トラブルが発生した際に相談できる窓口があるかどうかも確認しましょう。
採用後のサポートが充実している会社は、結果的に離職率が低くなる傾向にあります。長期的に外国人材を活用していくことを考えれば、採用後のサポート体制は非常に重要な選定基準といえるでしょう。
人材紹介会社を最大限活用する4つのコツ

人材紹介会社を利用するのであれば、そのメリットを最大限に活かす活用方法を知っておきましょう。ここでは、採用に成功している企業が実践している4つのコツを紹介します。
採用目的と条件を明確に伝える
外国人採用に成功している企業は、必ずといっていいほど「いつまでに採用したいかが明確」です。採用目的、採用人数、採用したい人材に求める経験、そして採用活動を行う期限を具体的に人材紹介会社へ提示します。
逆に採用活動がうまくいかないケースは、明確な基準がない「良い人がいたら紹介してほしい」という依頼です。特に求めるスキルや経験が曖昧な場合は、紹介する人材のミスマッチが生まれやすくなったり、面接のたびに採用基準がブレてしまったりする傾向にあります。
条件と期限が明確であれば、よりマッチした人材が紹介される可能性が高まり、いたずらに採用活動期間が延びることが少なくなります。採用基準など社内で合意をとり、目線を合わせることで希望の人材を獲得していきましょう。
求人票の内容を相談する
人材紹介会社の持っているノウハウを最大限活用するために、求人票の作成方法や記載内容について相談することをおすすめします。外国人が重視する条件は意外と日本人と異なり、それを知らずに求人票を作成してしまうのはもったいないことです。
寮の用意がある、残業が多い、すでに外国人採用の実績があるなどは、実はメリットだったりします。自社が持っている魅力を最大限に提示できるように、人材紹介会社の担当者に相談してみましょう。外国人にとって魅力的に映る企業のポイントを知っている担当者からアドバイスをもらうことで、応募数を増やすことができます。
また、逆に外国人から敬遠される条件についても教えてもらえます。改善できる部分は改善し、改善できない部分は事前に説明することで、入社後のミスマッチを防げます。
選考スピードを速める
外国人採用において選考スピードは非常に重要です。求職者は条件の良い求人を常に探しており、また在留期限が迫っていて更新のためにも就職先を早く決定したい人もいます。外国人労働者の需要増により引く手あまたであることから、日本人と同じスピードで採用選考を行うと採用の機会を逃してしまいます。
選考のスピードを速めるためには、人材紹介会社へのレスポンスを早くする、面接日程を柔軟に変更する、遠方の場合はWEB面接で対応する、必要な書類をすぐに提出するなどが挙げられます。人材紹介会社のレスポンスが遅ければ早めてもらえるようにしましょう。
選考のスピードを速めれば採用の確度があがることはもちろん、企業としても少しでも早く入社してもらうことが可能になります。
採用市場の情報を聞く
人材紹介会社は採用市場の情報をたくさん持っています。自社と同じ業界ではどのような企業が外国人を採用しているのか、外国人から人気がある業界なのか、今後の在留資格の制度やトレンドがどう変化していきそうかなど、積極的に問い合わせてみることをおすすめします。
インターネット上の情報だけでなく、直接聞くことで得られる情報もあります。同業他社の採用条件や給与水準、外国人が重視する福利厚生などを知ることで、自社の採用戦略をより効果的に立てることができます。
人材紹介会社の担当者は多くの企業と外国人求職者を見ているため、市場の生の声を持っています。定期的に情報交換をすることで、採用活動をより有利に進められるでしょう。
外国人人材の採用状況と特定技能制度

外国人採用を検討する際には、現在の採用状況や制度について理解しておくことも重要です。ここでは最新の外国人労働者数の推移と特定技能制度について解説します。
外国人労働者数の推移
厚生労働省が令和4年10月に発表した「外国人雇用状況」の届出状況によると、外国人労働者数は約182万人で、届出が義務化されて以降、過去最高の数値を更新しました。日本の労働人口は1990年代頃をピークに減少を続けており、今後も増加の見込みがないため、外国人労働者への依存度は今後さらに高まると予想されます。
在留資格別でみた場合、「身分に基づく在留資格」が最も多く約59万5千人と、外国人労働者数全体の32.7パーセントを占めています。次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が約48万人(26.3パーセント)、「技能実習」が約34万3千人(18.8パーセント)の順となりました。
なお、「専門的・技術的分野の在留資格」のうち、平成31年4月に創設された在留資格「特定技能」の外国人労働者数は約7万9千人となっています。創設から数年が経過し、特定技能外国人の数は着実に増加しています。
特定技能制度の概要
2019年4月から「特定技能」という在留資格が創設されたことで、労働力確保が非常に厳しい業種において、一定程度の知識や技能を有する即戦力として働くことのできる外国人労働者を受け入れることが可能となりました。
特定技能外国人を雇用できる業界を「特定産業分野」と呼んでおり、現在、合計で12の特定産業分野があります。介護業、ビルクリーニング業、素形材産業や産業機械製造業、電気電子情報関連産業、建設業、造船や舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業がこれに該当します。
特定技能制度を活用することで、これまで外国人の雇用が難しかった業種でも、即戦力となる人材を採用できるようになりました。人材紹介会社の中には特定技能外国人の紹介に特化したサービスを提供している会社もあるため、該当する業界の企業は積極的に活用を検討しましょう。
新卒採用なら学生視点の採用代行という選択肢も

外国人採用において人材紹介会社は非常に有効な手段ですが、特に新卒採用を検討している中小企業には、採用代行という別の選択肢もあります。
人材紹介は人材のマッチングに特化したサービスですが、採用代行は採用活動全体を伴走支援するサービスです。母集団形成から選考、内定者フォローまで、採用活動のあらゆるフェーズをサポートしてもらえます。
特に新卒採用においては、学生視点でのコンテンツ制作やインターンの企画運営、内定者フォローによる辞退防止など、学生の心を掴むための施策が重要です。学生人事のような学生が企業と伴走して新卒採用を後押しする採用代行サービスでは、学生目線での採用活動が可能になります。
まとめ

外国人人材紹介サービスは、採用の確実性が高く、採用業務の効率化や外国人雇用のルール習得など多くのメリットがあります。人手不足に悩む中小企業にとって、外国人採用は今後ますます重要な選択肢となっていくでしょう。
人材紹介会社を選ぶ際は、有料職業紹介事業の許可取得の確認、採用したい業種や職種の実績、希望する国籍への対応、登録者数とデータベースの質、特定技能外国人を採用する場合は登録支援機関かどうか、費用対効果と返還金規定、採用後のサポート体制といった7つのポイントを押さえることが重要です。
また、人材紹介会社を最大限活用するために、採用目的と条件を明確に伝える、求人票の内容を相談する、選考スピードを速める、採用市場の情報を聞くといった4つのコツを実践しましょう。
特に新卒採用においては、学生視点での採用活動が成功のカギを握ります。人材紹介会社の活用に加えて、学生が企業と伴走する採用代行サービスも選択肢として検討してみてください。自社に最適な方法で、外国人人材の採用課題を解決していきましょう。