人手不足が深刻化する中、多くの中小企業が正社員の採用だけでなく、柔軟な働き方を求める副業人材の活用に注目しています。特に専門性の高い業務や短期プロジェクト、繁忙期の人員補強など、即戦力となる人材を効率的に確保したいというニーズが高まっています。
しかし、副業人材の採用には独自の課題があります。求人媒体への掲載だけでは適切な人材に出会えない、面接調整が難しい、労務管理が複雑になるなど、採用担当者の負担は増える一方です。そこで注目されているのが、副業人材に特化した人材紹介サービスの活用です。
本記事では、副業人材を探している企業の採用担当者に向けて、人材紹介サービスの選び方から活用法、費用相場まで詳しく解説します。自社に最適なサービスを見つけ、効率的な採用活動を実現するためのヒントをお届けします。
副業人材の人材紹介サービスとは

副業人材に特化した人材紹介サービスは、企業と副業を希望する求職者をマッチングする専門サービスです。
一般的な人材紹介サービスとは異なり、週1日から働ける人材や、リモートワーク前提の働き方を希望する人材を中心に取り扱っている点が特徴です。
従来の求人媒体やハローワークでは、副業人材を効率的に見つけることは困難でした。また、副業人材は本業の合間を縫って活動するため、平日日中の面接調整が難しく、採用プロセスが長期化しがちです。
副業特化の人材紹介サービスは、こうした課題を解決するために設計されています。
登録者は最初から副業を前提に活動しているため、企業側も安心して募集をかけられます。また、多くのサービスでは業務委託契約のサポートや、リモート面接の調整など、副業人材特有の採用プロセスに対応した支援を提供しています。
サービスの形態は大きく分けて二つあります。一つは人材紹介会社が企業の要望をヒアリングし、条件に合う人材を個別に紹介する「エージェント型」です。
もう一つは、企業が登録されている人材データベースから自ら検索してアプローチする「プラットフォーム型」です。企業の採用リソースや求める人材の専門性に応じて、適切なサービス形態を選択することが重要です。
副業人材の人材紹介サービスの種類と特徴

副業人材を扱う人材紹介サービスには、それぞれ得意分野や特徴があります。自社のニーズに合ったサービスを選ぶためには、各サービスの違いを理解することが不可欠です。
総合型サービス
総合型のサービスは、幅広い職種や業界の副業人材を取り扱っています。
営業、事務、マーケティング、エンジニアなど、多様な人材が登録しているため、複数のポジションで副業人材を探している企業に適しています。
大手人材紹介会社が運営するサービスが多く、信頼性やサポート体制が充実している点が強みです。
ただし、特定の専門分野においては、専門特化型のサービスに比べて人材の質や深さで劣る場合があります。
専門特化型のサービス
専門特化型のサービスは、IT・Web、クリエイティブ、コンサルティングなど、特定の業界や職種に特化しています。
例えば、エンジニアやデザイナーの副業人材を探すなら、技術系に強いサービスを利用することで、より高度なスキルを持つ人材と出会える可能性が高まります。
業界特有の要件や商習慣を理解したコンサルタントが在籍しているため、ミスマッチのリスクを抑えられます。
プラットフォーム型のサービス
プラットフォーム型のサービスは、企業が自ら人材を検索し、直接スカウトやオファーを送れる仕組みです。
人材紹介会社を介さないため、手数料が比較的低く抑えられる点がメリットです。
ただし、人材の選定から面接調整、契約手続きまで、採用担当者が主体的に動く必要があるため、採用リソースに余裕がある企業向けと言えます。
エージェント型のサービス
エージェント型のサービスは、専任のコンサルタントが企業の要望を詳しくヒアリングし、条件に合う人材を個別に紹介してくれます。
採用工数を削減したい企業や、初めて副業人材を採用する企業に最適です。
コンサルタントが面接日程の調整や条件交渉をサポートしてくれるため、採用担当者の負担が大幅に軽減されます。
一方で、プラットフォーム型に比べて手数料が高めに設定されているケースが多い点は考慮が必要です。
副業人材の人材紹介サービスを選ぶポイント
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副業人材の人材紹介サービスは数多く存在しますが、自社に最適なサービスを選ぶには、4つの重要なポイントを押さえる必要があります。
①自社が求める職種や業界に強いサービスかどうか
最も重要なのは、自社が求める職種や業界に強いサービスかどうかという点です。
例えば、ITエンジニアの副業人材を探しているのに、事務職やサービス業に強いサービスを選んでも、期待する成果は得られません。
サービスのWebサイトで登録者の職種構成や得意領域を確認し、自社のニーズと合致しているかを事前に調べることが大切です。
②登録人材の質と数
次に確認すべきは、登録人材の質と数です。
登録者が多いサービスは選択肢が広がる一方で、質がばらつく可能性もあります。
逆に、厳選された人材のみを扱うサービスは質は高いものの、マッチする人材の数が限られる場合があります。
サービスの審査基準や登録者のプロフィール例を確認し、自社が求めるレベルの人材が在籍しているかを見極めましょう。
③サポート体制の充実度
サポート体制の充実度も重要な選定基準です。
初めて副業人材を採用する企業にとっては、業務委託契約の作成支援や、副業人材とのコミュニケーション方法についてのアドバイスなど、きめ細かなサポートがあると安心です。
担当コンサルタントのレスポンスの速さや、トラブル時の対応方針なども、事前に確認しておくべきポイントです。
④企業の業種や規模に応じた実績
企業の業種や規模に応じた実績も確認しておきたいポイントです。
大手企業向けのサービスは、中小企業にとっては使いにくい場合が少なくないためです。
自社と同規模の企業での導入事例や、同業他社での活用実績があるサービスであれば、より安心して利用できるでしょう。
副業人材紹介サービスの費用相場と料金体系

副業人材の人材紹介サービスを利用する際、最も気になるのが費用面です。
最も一般的なのは成功報酬型です。人材の採用が決定した時点で、紹介手数料を支払う仕組みです。手数料は、契約金額(月額報酬×契約期間)の20〜35%程度が相場となっています。
例えば、月額30万円で6ヶ月契約の副業人材を採用した場合、契約総額は180万円となり、手数料率が30%であれば54万円を紹介会社に支払うことになります。
成功報酬型のメリットは、採用が成立しない限り費用が発生しない点です。ただし、短期契約の場合は手数料率が高めに設定されるケースもあるため、契約期間と手数料のバランスを確認する必要があります。
プラットフォーム型のサービスでは、月額固定型の料金体系が採用されることが多くなっています。月額数万円から十数万円程度で、登録人材データベースへのアクセス権やスカウト送信機能を利用できます。
採用人数に関わらず定額なので、複数名を採用したい企業にとってはコストパフォーマンスが高くなります。一方で、採用が成立しなくても月額費用は発生するため、利用期間中に確実に採用を進める体制が必要です。
費用を抑えるためには、複数のサービスを比較することが重要です。
同じ人材を紹介するサービスでも、手数料率や契約条件が異なる場合があります。また、早期退職や契約不履行があった場合の返金保証制度の有無も、実質的なコストに影響します。一定期間内に契約が終了した場合、手数料の一部または全額が返金されるサービスであれば、リスクを軽減できます。
副業人材活用における注意点とリスク管理
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副業人材の活用には多くのメリットがある一方で、適切に管理しなければリスクを生む可能性もあります。トラブルを未然に防ぐために、押さえておくべき注意点を理解しておきましょう。
①労働法規の遵守
副業人材と業務委託契約を結ぶ場合、形式的には「委託」であっても、実態が雇用関係と判断されるケースがあります。
具体的には、以下の条件が揃うと、労働基準法上の「労働者」とみなされる可能性があります。
- 業務の指揮命令が強い
- 勤務時間や場所が厳格に管理されている
- 報酬が時間給で計算されている など
この場合、社会保険の加入義務や残業代の支払い義務が発生するため、契約形態と業務実態が乖離しないよう注意が必要です。
②情報セキュリティの管理
副業人材は社外から業務を行うことが多く、機密情報の取り扱いには特別な配慮が求められます。
秘密保持契約(NDA)の締結は必須ですが、それだけでなく、アクセス権限の管理、データの持ち出し制限、セキュリティツールの使用義務化など、実務レベルでの対策を講じることが大切です。
特に、個人情報や顧客データを扱う業務では、情報漏洩が企業の信用を大きく損なうリスクがあるため、慎重に対応しましょう。
③離脱リスク
本業の都合や個人的な事情により、契約期間中であっても業務を継続できなくなる可能性があります。
このリスクを軽減するには、業務の属人化を避け、引き継ぎが可能な状態を維持することが重要です。
ドキュメントの整備やナレッジの共有を徹底し、特定の人材に依存しない体制を構築しましょう。
また、契約書に中途解約の条件や予告期間を明記しておくことで、万が一の際にも混乱を最小限に抑えられます。
④成果の評価基準を明確にする
副業人材との間で最も多いトラブルの一つが、「期待した成果が得られなかった」というものです。
これは、発注側と受注側で成果物のイメージや品質基準が共有されていないことが原因です。
契約時に具体的な成果物や完成基準を定義し、中間チェックポイントを設けることで、認識のズレを早期に修正できます。
⑤税務処理
副業人材への報酬は外注費として計上されますが、源泉徴収の要否は業務内容によって異なります。
例えば、原稿料やデザイン料などは源泉徴収の対象となるため、適切な税務処理を行わないと、後に税務署から指摘を受ける可能性があります。
不明な点があれば、税理士に相談するか、人材紹介サービスのサポートを活用しましょう。
採用代行サービスで副業人材活用をさらに効率化

副業人材の活用は、企業の採用戦略を大きく広げる可能性を持っています。しかし、人材紹介サービスを使いこなすには、採用担当者の知識と経験が求められます。特に、初めて副業人材を採用する企業や、採用リソースが限られている中小企業にとっては、サービスの選定から面接、契約手続き、オンボーディングまで、全てを自社で対応するのは大きな負担です。
そこで検討したいのが、採用活動そのものをサポートしてくれる採用代行サービスの活用です。
採用代行サービスは、企業の採用業務全般を代行または支援するサービスで、副業人材の採用においても効果を発揮します。募集要項の作成、候補者とのやり取り、面接日程の調整まで、採用のプロフェッショナルが伴走することで、採用担当者の工数を大幅に削減できます。
特に新卒採用と並行して副業人材の採用を進める場合、リソースの配分が課題となります。新卒採用は時期が集中し、説明会の運営や内定者フォローなど、多くの業務が発生します。このような繁忙期に副業人材の採用も並行して進めるのは、現実的に困難です。採用代行サービスを利用することで、副業人材の採用プロセスを外部に任せ、社内の採用担当者は新卒採用に集中できる体制を作れます。
副業人材の活用も含めた総合的な採用戦略を構築したい企業にとって、採用代行サービスは心強いパートナーとなるでしょう。
自社の採用課題を整理し、どの部分を外部に委託すべきかを検討することが、効率的な採用活動の第一歩です。