医療業界で人材紹介はなぜ高いのか、と疑問に感じている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
医師や看護師などの医療人材は慢性的に不足しており、人材紹介サービスは採用手段として広く使われていますが、その一方で「手数料が高い」「本当に妥当なのか分からない」という声も多く聞かれます。
この記事では、医療業界における人材紹介の仕組みや相場、高いと言われる理由を整理し、わかりやすく解説します。
医療業界で人材紹介はなぜ高いと言われるのか

医療業界の人材紹介は「高い」と言われがちです。
まずは、その背景にある業界構造や紹介の仕組みから整理します。
医療人材紹介の基本的な仕組み
医療人材紹介は、医療機関と求職者の間にエージェントが入り、採用成立時に報酬が発生する成功報酬型のサービスです。
求人票の作成、候補者の募集、面談調整、条件交渉まで一貫してサービスを行います。医師や看護師など国家資格を持つ職種が中心で、登録者のスキルや経験を事前に把握したうえで紹介される点が特徴です。
採用が決定するまで初期費用はかからず、入職が確定した時点で紹介手数料を支払う仕組みのため、医療機関は採用リスクを抑えながら人材確保を進められます。
「高い」と感じやすい3つの理由
医療人材紹介が高額に感じられる背景には、いくつかの構造的な要因があります。
第一に、紹介手数料が想定年収を基準に算出されるため、専門職ほど金額が大きくなりやすいという点です。
第二に、慢性的な人材不足により、求職者側の市場価値が高く、採用単価が上がりやすい状況があることです。
第三に、医療現場特有の条件交渉やミスマッチ防止のため、エージェントの関与工数が多い点も影響するためです。
医療人材紹介の手数料相場と報酬形態

医療人材紹介の費用は職種や契約形態によって異なります。
代表的な相場感と報酬の仕組みを確認します。
医師・看護師・その他医療職の手数料相場
医療人材紹介の手数料は職種によって大きく異なります。
一般的に、医師の場合は想定年収の20〜30%前後が相場とされるケースが多く、年収水準が高いため総額も大きくなりがちです。
看護師や薬剤師などは15〜25%程度が目安とされることが多く、その他医療職は比較的低めに設定される傾向があります。
ただし、地域や採用難易度、経験年数によって変動するため、一律で判断するのは難しく、個別見積もりが前提になります。
主流な報酬形態
医療人材紹介で主流なのは成功報酬型です。
採用が成立しなければ費用は発生せず、入職が確定した段階で紹介手数料を支払います。
また、一定期間内の早期退職に備えた返金規定を設けている会社もあります。そのような規定では月額固定費であったり、前払いが不要なため、採用予算が限られる医療機関にとって導入しやすいといえるでしょう。
医療人材紹介を使うメリット・デメリット

医療人材紹介には明確な利点がある一方、注意すべき点もあります。
導入前に両面を把握しておくことが重要です。
医療人材紹介を使うメリット
医療人材紹介を利用する最大のメリットは、採用工数を大幅に削減できる点です。
募集から一次選考までをエージェントが担うため、現場の負担を抑えられます。
また、医療業界に精通した担当者が条件調整や候補者フォローを行うことで、採用スピードも向上しやすくなります。
さらに、求人広告では出会いにくい潜在層にアプローチできる点も強みです。結果として、欠員による現場負荷を早期に解消しやすくなります。
医療人材紹介を使うデメリット
一方で、明確なデメリットとしては、コスト面です。
成功報酬型とはいえ、年収に連動するため金額が高くなりやすい点は注意が必要です。
また、エージェント経由の採用では、自院の魅力や方針が十分に伝わらないまま進むケースもあります。
担当者との情報共有が不十分だと、ミスマッチが生じる可能性も否定できません。紹介任せにせず、採用要件や優先順位を明確に伝える姿勢が求められます。
医療人材紹介が向いている医療機関・向いていない医療機関

人材紹介はすべての医療機関に適しているわけではありません。
そこで、採用方針別に向き不向きを整理します。
【向いている医療機関】採用スピードと質を重視したい場合
人材紹介は、欠員補充を急ぎたい医療機関や、即戦力人材を求めるケースに向いています。
特に、夜勤対応や専門診療など、条件が厳しいポジションでは、紹介会社のネットワークが有効です。現場が多忙で採用活動に時間を割けない場合でも、一定の質を担保した候補者と出会いやすくなります。
短期間で採用を完了させたい医療機関にとって、費用以上の価値を感じやすい手法といえます。
【向いていない医療機関】コスト最優先・育成前提の場合
採用コストを最小限に抑えたい場合や、未経験者を育成する前提の医療機関には不向きな場合があります。
人材紹介は即戦力を前提とするケースが多く、育成期間を含めた長期視点の採用とは相性が良いとはいえません。
また、複数名を計画的に採用する場合、紹介手数料が予算を圧迫する可能性があります。
こうした場合は、直接応募や他の採用手法との併用を検討する必要があります。
失敗しない医療人材紹介会社の選び方
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紹介会社によって強みや支援内容は異なります。
ここからは、失敗を防ぐための選定ポイントを押さえます。
医療特化型と総合型のどちらを選ぶのかを決める
医療人材紹介会社には、医療特化型と総合型があります。
特化型は業界理解が深く、専門職や地域特性に強い点が特徴です。
一方、総合型は求人数や対応職種の幅が広く、複数職種を同時に採用したい場合に向いています。
自院が求める人材像や採用規模に応じて、どちらが適しているかを事前に整理することが重要です。
実績・得意職種・支援範囲を確認する
紹介会社を選ぶ際は、過去の実績や得意とする職種を確認します。医師、看護師、コメディカルなど、どの領域に強みがあるのかは会社ごとに異なります。
また、求人票作成から入職後フォローまで、どこまで支援してくれるのかも重要な判断材料です。
支援範囲が明確な会社ほど、採用後のトラブルを防ぎやすくなります。
担当者との相性と情報提供の質を確認する
担当者の質は、採用成果に直結します。医療現場の状況を理解し、的確な候補者提案ができるかを見極めることが重要です。
連絡頻度や情報共有の丁寧さも確認しましょう。
初回の打ち合わせ段階で、自院の課題を正しく理解しようとする姿勢があるかどうかは、かなり良い判断基準になります。
医療系に強い総合人材紹介会社3選
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医療分野の採用支援実績を持つ総合人材紹介会社を、特徴とあわせて紹介します。
株式会社シグマスタッフ
シグマスタッフは、医療・介護分野を含む人材サービスを展開する総合型の人材紹介会社です。
事務職から医療専門職まで幅広く対応しており、複数職種を同時に採用したい医療機関に向いています。派遣や紹介予定派遣など、他の雇用形態と組み合わせて検討できる点も特徴です。
採用手法の選択肢を広げたい場合に検討しやすい会社といえます。
株式会社リクルートメディカルキャリア
リクルートメディカルキャリアは、医師採用支援に強みを持つ人材紹介会社です。
医師のスカウトサービスを展開しており、医療機関において、時間不足などにより満足に行えていない医師採用業務をサポートしてくれます。
また、1年間の期間限定で契約をすることが出来るため、必要な時に必要な分だけ利用することが可能です。
採用難易度が高いポジションの相談先として選ばれることが多い会社です。
株式会社マイナビ
株式会社マイナビは、幅広い業界で人材紹介を行う総合人材会社です。
医療領域では、看護師や薬剤師などの支援実績があります。知名度が高く、求職者との接点が多い点が強みです。
また、新卒採用支援のノウハウも持っているため、中長期的な人材確保を見据えた相談がしやすい会社といえます。
医療機関の採用戦略

人材紹介を含めた採用手法をどう組み合わせるかが重要です。中長期視点での採用戦略を考えます。
医療業界の採用は「コスト」ではなく「投資」で考える
医療業界の採用は、単なる人件費ではなく、医療の質や職場環境に直結する投資と捉える視点が重要です。
欠員による現場負担や離職リスクを考えると、適切なタイミングで人材を確保する価値は大きいです。
短期的なコストだけで判断せず、定着率や将来的な戦力化まで含めて検討することが安定した組織運営につながります。
人材紹介を理解した上で考えたい採用の選択肢
人材紹介は有効な手段ですが、すべての課題を解決する万能策ではありません。採用目的やフェーズに応じて、他の手法と組み合わせることが重要です。
特に、長期的な組織づくりを考える場合は、新卒採用や育成型採用も視野に入れる必要があります。中途採用だけに依存すると、採用コストや定着面で課題が残るケースもあります。
そこで、学生人事というサービスでは、学生が企業と伴走しながら新卒採用を支援するサービスを提供しています。学生目線を活かしたコンテンツ制作や内定者フォローまで一貫してサポートします。
採用手法の選択肢を広げたい医療機関の方は、ぜひ詳細をご覧ください。
まとめ

医療人材紹介は高額に感じられやすい一方で、採用スピードや質を重視する医療機関にとって有効な手段です。
手数料の仕組みや向き不向きを理解したうえで活用することで、採用の失敗リスクを抑えられます。自院の採用課題に合った手法を選び、必要に応じて他の採用施策と組み合わせることが重要です。