「採用業務に追われて他の仕事が進まない」「応募者対応だけで1日が終わってしまう」というのは、中小企業の採用担当者なら、誰もが経験する悩みではないでしょうか。
採用代行(RPO)の業務委託は、こうした採用業務の負担を大幅に削減できる手段です。しかし「業務委託って違法にならないの?」「費用はどれくらいかかるの?」「契約で気をつけることは?」といった疑問や不安を抱える方も多いでしょう。
本記事では、中小企業の採用担当者が知るべき採用代行の業務委託に関する法的知識、契約時の注意点をまとめました。
- 採用代行の業務委託が違法にならない条件
- 契約書で確認すべき7つの重要ポイント
- 失敗しない採用代行の選び方5ステップ
採用代行(RPO)の業務委託とは?

採用代行(RPO)とは、Recruitment Process Outsourcingの略で、企業の採用業務の一部または全部を外部の専門業者に委託するサービスです。
業務委託契約は、企業が採用業務を外部業者に依頼し、業者が独立して業務を遂行する契約形態を指します。重要なのは、業者に対して直接的な指揮命令を行わないという点です。
良く混同されるのが人材紹介や派遣です。何が違うかと言うと、主に契約の形態や費用の支払い方法などが異なります。
人材紹介や派遣は自分の会社・業務に見合った人材そのものを紹介してもらいます。既に人材紹介会社や派遣会社にある人材から選んで紹介される、という形です。
一方で、採用代行は、初めから自分の会社・業務に見合った人材を探すところから行います。
また、費用は月額契約の場合が多いです。人材紹介は採用された人材の年収の約3割を支払う方法が多く、派遣は労働者と直接雇用契約を結んで賃金を支払います。
採用代行は違法?職業安定法との関係を解説
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結論から言うと、採用代行の業務委託は、適切な契約と業務範囲であれば合法です。
「採用業務を外部に委託するのは違法では?」という不安を持つ方もいますが、職業安定法に基づいた正しい方法で契約すれば、まったく問題ありません。
職業安定法第36条「委託募集」とは
採用代行は、職業安定法第36条で定められた「委託募集」に該当します。委託募集とは、企業が他の事業者に対して、自社の従業員となる労働者の募集業務を委託することを指します。
この委託募集を適法に行うためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 委託する企業が委託募集の届出を行う
- 受託する業者が適切な許可・届出を持っている
- 求職者から金銭を受け取らない
- 業務範囲が明確に定められている
多くの採用代行業者は、この基準を満たしているため、採用代行を業務委託することは違法ではありません。
違法になる3つのケース
採用代行の業務委託が違法と判断されるのは、以下のような場合です。
1. 求職者から金銭を受け取る行為
採用代行業者が応募者や求職者から、選考対応の対価として金銭を受け取ることは職業安定法で禁止されています。
2. 労働者派遣法に抵触する指揮命令
業務委託契約であるにもかかわらず、企業が採用代行業者のスタッフに直接指示を出すと、労働者派遣とみなされる可能性があります。これは「偽装請負」として違法です。
3. 無許可での職業紹介行為
有料職業紹介事業の許可を持たない業者が、候補者の紹介と斡旋を行うことは違法です。
業者の指示に従ってサービスを利用していれば基本的には違反になることはありませんが、利用の際は十分注意しておきましょう。
合法的に利用するための3つのポイント
採用代行を安全に活用するために、以下の点を必ず確認しましょう。
1. 許可を持つ業者を選ぶ
採用代行業者が有料職業紹介事業許可(厚生労働大臣許可)を持っているか確認してください。許可番号は、業者のWebサイトや会社案内に記載されています。
2. 契約書で業務範囲を明確化する
「どこまでを業者が行い、どこからを自社が行うか」を契約書で具体的に定めましょう。特に最終的な採用判断は企業側が行うことを明記します。
3. 指揮命令関係を作らない
業者のスタッフに直接業務指示を出さず、業者の責任者を通じてコミュニケーションを取りましょう。日々の細かい指示は、指揮命令とみなされるリスクがあります。
採用代行業者を選ぶ際は、必ず有料職業紹介事業許可番号を確認しましょう。「〇〇-ユ-〇〇〇〇〇〇」という形式の番号が正式な許可の証です。業者のWebサイトのフッター部分に記載されていることが一般的です。
採用代行で委託できる業務範囲
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採用代行では、採用活動の幅広い業務を委託できます。ここでは、一般的に委託可能な業務と、特に学生採用で効果を発揮する業務を解説します。
委託可能な6つの業務
採用代行では、以下の6つの業務が委託可能です。
1. 採用計画の策定支援
採用人数、採用時期、求める人材要件などの計画立案をサポートします。採用市場の動向を踏まえた現実的な計画を立てられます。
2. 求人媒体の選定・出稿
ナビサイト、求人サイト、SNSなど、ターゲットに合った媒体の選定と求人原稿の作成・出稿を代行します。
3. 応募者対応(日程調整、メール返信)
応募者への返信メール、説明会や面接の日程調整、リマインド連絡など、日々発生する定型業務を委託できます。
4. 書類選考の一次スクリーニング
エントリーシートや履歴書を、事前に定めた基準に基づいて一次選考します。明らかに要件を満たさない応募者を絞り込み、採用担当者の負担を軽減します。
5. 面接の日程調整・リマインド
面接官と応募者のスケジュールを調整し、面接前日にリマインド連絡を送ります。無断キャンセルの防止にも効果的です。
6. 内定者フォロー(懇親会企画、SNS運営)
内定者向けの懇親会やイベントの企画・運営、内定者専用のSNSグループの管理などを行います。内定辞退の防止に役立ちます。
代行業者によって委託できる範囲は変動するため、打ち合わせの段階でよく確認しておきましょう。
新卒採用で特に効果的な業務
新卒採用では様々な企画を行うことが重要になってきます。しかし、採用担当者が自社で不足している場合、その企画は難しいのが現状です。そこで、採用代行業者に委託することで問題を解決できるようになります。
例えば、インターンシップの企画から当日運営を、参加学生のフォローまでを一貫して委託できます。学生との接点を増やしたいが、運営リソースが足りない企業に最適です。
また、複数の大学で説明会を開催する場合、各大学のキャリアセンターとの調整や学生への案内を代行してもらうこともできます。地方の大学まで対応範囲を広げたい企業に効果的です。
他にも、LINEやSlackなどで内定者コミュニティを作り、定期的な情報発信や質問対応を行ってもらうこともできます。内定者同士の交流を促進し、入社前の不安を解消できます。
委託できない業務
一方で、以下の業務は企業側が必ず行う必要があります。これらを委託すると、職業安定法や労働基準法に抵触する可能性があります。
1.最終的な採用可否の判断
「誰を採用するか」の最終決定は、必ず企業側が行います。採用代行業者は判断材料の提供までです。
2労働条件の決定
給与、勤務時間、勤務地などの労働条件の決定や提示は、企業が直接行う必要があります。
要は「面接までは委託できるけれど、合否は自社が決めなければいけない」ということです。この点には十分に注意しておきましょう。
採用代行を業務委託するメリット5つとデメリット3つ

採用代行の業務委託には、多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。導入前に両面を理解しておきましょう。
採用代行に業務委託するメリット5つ
採用代行で採用活動を業務委託することで得られるメリットは大きく5つあります。
主に時間とコストの削減が期待できる点が大きいです。また、プロのノウハウを利用できるため、優秀な人材を確保できる・内定辞退率を下げるといった点も期待できます。
具体的には以下の通りです。
1. 採用業務の時間を70%削減できる
日程調整、メール対応、書類選考などの定型業務を委託することで、採用担当者の作業時間を大幅に削減できます。特に応募者が多い時期は、事務作業だけで1日が終わってしまうケースも少なくありません。委託により、採用担当者は面接や採用戦略の立案など、より重要な業務に集中できます。
2. 採用のプロのノウハウを活用できる
採用代行業者は、多数の企業支援を通じて蓄積したノウハウを持っています。効果的なスカウト文面の作成、応募者の見極め方、選考フローの最適化など、自社だけでは得られない知見を活用できます。
3. 繁忙期のみのスポット利用が可能
新卒採用シーズン(3月〜6月)やインターンシップ時期(8月〜9月)など、採用活動が集中する時期だけ委託できます。年間を通じて正社員を雇用するよりも、柔軟かつ低コストで対応できます。
4. 固定費化せず変動費として計上できる
採用担当者を正社員として雇用すると、採用活動の有無にかかわらず人件費が固定費として発生します。一方、業務委託なら必要な時期・業務量に応じて費用が変動するため、経営の柔軟性が高まります。
5. 最新の採用トレンドに対応できる
SNS採用、ダイレクトリクルーティング、採用動画の活用など、採用手法は日々進化しています。採用代行業者は常に最新トレンドをキャッチアップしているため、時代に合った採用活動を展開できます。
デメリット3つと対策
採用代行はメリットも大きい一方、デメリットも確かに存在します。
しかし、それぞれのデメリットにもしっかりと対策方法があるため、利用方法を気を付けていれば気にならないとも言えるでしょう。
以下、具体的なデメリットとその対策になります。
1. 自社に採用ノウハウが蓄積しにくい
業務を外部に委託すると、採用のノウハウや知見が社内に残りにくいという課題があります。対策としては、採用代行業者に月次レポートの提出を依頼し、「どのような施策を行い、どんな成果が出たか」を可視化しましょう。定期的な振り返りミーティングを設定し、業者の知見を吸収する姿勢が重要です。
2. コミュニケーションコストが発生する
外部業者との連携には、情報共有や認識合わせのためのコミュニケーションが必要です。特に導入初期は、自社の採用方針や求める人材像を伝えるための時間がかかります。対策として、週1回、30分程度の定例ミーティングを設定し、進捗確認と課題の共有を行いましょう。SlackやChatworkなどのチャットツールを活用すれば、日常的な連絡もスムーズになります。
3. 自社の採用基準の伝達に時間がかかる
企業ごとに求める人材像や採用基準は異なります。この基準を採用代行業者に正確に理解してもらうまでには、一定の時間が必要です。なので、契約後のキックオフミーティングで、求める人材の具体的な要件(スキル、経験、価値観など)を詳細に共有しましょう。過去の採用成功例・失敗例を共有することで、業者の理解が深まります。
業務委託契約書で確認すべき7つのポイント
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採用代行の業務委託契約を結ぶ際は、契約書の内容を入念にチェックすることが重要です。トラブルを未然に防ぐため、以下の7つのポイントを必ず確認しましょう。
1. 業務範囲の明確化
「どの業務を委託し、どの業務は自社で行うか」を具体的に列挙することが重要です。曖昧な表現は、後々のトラブルの原因になります。
- 良い例: 「書類選考の一次スクリーニングは業者が実施。最終的な合否判断は企業側が行う」
- 悪い例: 「採用業務全般を委託する」
業務範囲が明確でないと、「これはやってくれると思っていた」「そこまでは契約に含まれていない」といった認識の齟齬が生じます。
2. 成果物とKPIの定義
委託した業務の成果をどのように測定するか、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
- 応募者への返信速度(24時間以内に対応など)
- スカウトメールの送信数(月50通など)
- 面接設定率(書類通過者の80%以上など)
- 月次レポートの提出(毎月5営業日以内など)
また、月次レポートに含めるべき内容(応募者数、選考通過率、課題と改善提案など)も契約書に明記しておくと、期待値のズレを防げます。
3. 秘密保持条項
採用代行業者は、応募者の個人情報や自社の採用戦略など、機密性の高い情報を扱います。秘密保持に関する条項は特に重要です。
特に確認すべきなのは以下の4点です。
- 応募者の個人情報の取り扱い方法
- 情報漏洩時の損害賠償責任
- 契約終了後の秘密保持義務(通常は契約終了後も継続)
- 個人情報保護法への対応
特に、応募者の履歴書やエントリーシートなどの個人情報を、業者がどのように管理・廃棄するかを明確にしておきましょう。
4. 再委託の可否
採用代行業者が、さらに別の業者に業務を再委託することを認めるかどうかを定めておきましょう。
しかし、もし再委託を認めると、情報管理のリスクが高まり、サービス品質のコントロールも難しくなります。やむを得ず再委託を認める場合は、「事前の書面による承諾が必要」という条件を付けましょう。
5. 契約期間と解約条件
契約期間と、中途解約する場合の条件を確認しましょう。
特に確認すべき内容は以下の4点です。
- 最低契約期間(3ヶ月、6ヶ月など)
- 自動更新の有無
- 中途解約時の予告期間(1ヶ月前など)
- 中途解約時の違約金の有無と金額
特に「効果が感じられなかった場合に、すぐに解約できるか」は重要なポイントです。最低契約期間が長すぎると、ミスマッチが発覚しても契約を継続せざるを得なくなります。
6. 損害賠償の範囲
万が一、業者の過失によって損害が発生した場合の賠償範囲を定めておくことが大切です。
特に下記3点は必ず設定しておきましょう。
- 情報漏洩時の賠償額の上限
- 業務遂行上のミス(応募者への連絡漏れなど)の責任範囲
- 免責事項(天災、システム障害など業者の責任外の事象)
賠償額の上限は「契約金額の12ヶ月分」「年間契約額と同額」などと定められることが一般的です。
7. 職業安定法の遵守確認
採用代行業者が、職業安定法を遵守していることを契約書で確認しましょう。
- 有料職業紹介事業許可番号
- 委託募集の届出の有無
- 職業安定法第36条(委託募集)の遵守
- 求職者から金銭を受け取らないことの確認
特に有料職業紹介事業許可番号(「〇〇-ユ-〇〇〇〇〇〇」形式)が契約書に明記されているかを必ず確認してください。
契約書チェックリスト
契約締結前に、以下のチェックリストで漏れがないか確認しましょう。
□ 業務範囲が具体的に記載されている
□ KPIと成果物が明確に定義されている
□ 個人情報の取り扱いが明記されている
□ 再委託が禁止されている(または事前承諾制)
□ 解約条件が明確で、中途解約が可能
□ 損害賠償の範囲と上限が定められている
□ 有料職業紹介事業許可番号が記載されている
契約書は専門用語が多く、理解が難しい場合もあります。不明点があれば、契約前に業者に質問し、納得してから契約しましょう。必要に応じて、社労士や弁護士にレビューを依頼することも検討してください。
失敗しない採用代行の選び方5ステップ
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採用代行業者は数多く存在し、サービス内容や強みもそれぞれ異なります。自社に最適な業者を選ぶために、以下の5ステップで進めましょう。
ステップ1:委託したい業務を洗い出す
まず、現在の採用業務を可視化し、どの業務に時間がかかっているかを把握します。
洗い出しの方法は主に以下の3つです。
- 1週間の採用業務を記録する
- 各業務にかかった時間を計測する
- 「時間がかかっている業務TOP3」を特定する
多くの企業で時間がかかっているのは、「日程調整」「応募者への返信メール」「書類選考」の3つです。これらの業務から委託を検討すると、効果を実感しやすくなります。
また、「自社で必ず行いたい業務」と「外部に任せても良い業務」を明確に区別しておくことも重要です。たとえば、最終面接は自社で行いたいが、一次面接の日程調整は委託したい、といった線引きを事前に決めておきましょう。
ステップ2:予算を決める
委託に充てられる予算を明確にし、契約形態を選びます。
予算が限られている場合は、まず月額5万円〜10万円程度の小規模な委託から始め、効果を確認してから拡大する方法がおすすめです。
また、繁忙期(新卒採用シーズンなど)だけスポットで利用するのか、年間を通じて継続利用するのかによっても、適した契約形態が変わります。
ステップ3:学生採用の実績を確認する
新卒採用や学生採用を委託する場合、その分野での実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
また、中途採用と新卒採用では、求められるノウハウが大きく異なります。新卒採用特有の課題(内定辞退対策、学生とのコミュニケーション方法など)に精通している業者を選びましょう。
業者のWebサイトに掲載されている事例や、問い合わせ時のヒアリングで、学生採用の知見を持っているかを確認してください。
ステップ4:3社に相見積もりを取る
複数の業者を比較することで、適正な価格とサービス内容を見極められます。
特に、以下のポイントに注意してよく確認してください。
- 同じ業務範囲・条件で見積もりを依頼する
- 見積もり項目の内訳が明確か確認する
- 「基本料金」以外の追加費用(交通費、システム利用料など)の有無を確認する
見積書を受け取ったら、単に金額だけでなく、「何がどこまで含まれているか」を細かくチェックしましょう。安い見積もりでも、実際には追加費用が多く発生するケースもあります。
また、見積もり提示までのスピードや、質問への回答の丁寧さも、業者の対応力を測る重要な指標です。
ステップ5:担当者との相性を確認する
採用代行は、業者との継続的なコミュニケーションが成功のカギです。契約前に担当者と直接話し、相性を確認しましょう。
初回のミーティングで、「この担当者なら任せられる」と感じられるかどうかが重要です。どんなに実績のある業者でも、担当者との相性が悪ければ、良い成果は出にくくなります。
よくある質問5選

採用代行の業務委託に関して、多くの企業が抱える疑問にお答えします。
Q1:最低契約期間はどれくらいですか?
A:3ヶ月〜6ヶ月が一般的です。
多くの採用代行業者では、最低契約期間を3ヶ月または6ヶ月に設定しています。これは、採用活動の効果を測定し、業務フローを確立するために必要な期間です。
ただし、業者によっては1ヶ月単位のスポット利用に対応しているところもあります。新卒採用の繁忙期(3月〜6月)やインターンシップ時期(8月〜9月)だけ利用したい場合は、スポット契約が可能な業者を探しましょう。
契約前に最低契約期間を確認し、自社の採用スケジュールに合った業者を選ぶことが重要です。
Q2:途中で解約できますか?
A:可能ですが、契約期間内の解約は違約金が発生する場合があります。
最低契約期間内に解約する場合、残りの契約期間分の料金の一部(50%など)を違約金として支払う契約が一般的です。また、解約を申し入れる場合は、1ヶ月前までに通知が必要といった規定があることも多いです。
契約前に以下の点を必ず確認しましょう。
- 最低契約期間はいつまでか
- 中途解約時の違約金の有無と金額
- 解約の予告期間(1ヶ月前、2ヶ月前など)
「効果が感じられなかった場合にすぐ解約できるか」は、リスク管理の観点から重要なポイントです。
Q3:面接への立ち会いは必要ですか?
A:委託する業務範囲によります。
日程調整のみを委託する場合、業者は面接に立ち会いません。面接は企業側だけで実施し、業者は日程調整とリマインド連絡のみを担当します。
一方、面接代行を依頼する場合は、業者の担当者が一次面接を代行するか、企業側の面接に同席して記録を取るなどのサポートを行います。ただし、最終的な合否判断は必ず企業側が行います。
委託する業務範囲によって立ち会いの要否が変わるため、契約時に明確にしておきましょう。
Q4:採用できなかった場合も費用は発生しますか?
A:契約形態によって異なります。
月額固定型の場合: 採用の成否にかかわらず、毎月定額の費用が発生します。これは業務を実施したことに対する対価であり、採用結果は費用に影響しません。
成功報酬型の場合: 採用が決定した時点で初めて費用が発生します。採用できなければ費用は発生しませんが、月額固定型に比べて単価(理論年収の30-35%)は高めです。
初期費用を抑えたい場合は成功報酬型、安定的に採用活動を進めたい場合は月額固定型が適しています。
Q5:遠隔地の業者でも問題ありませんか?
A:オンラインMTGが主流なので問題ありません。
現在はZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議ツールが普及しており、遠隔地の業者でもスムーズに連携できます。週次のミーティングや月次報告も、オンラインで完結する業者がほとんどです。
ただし、以下の点は事前に確認しておきましょう。
- 対面でのキックオフMTGが必要かどうか
- 対面MTGが必要な場合の出張費の扱い
- 緊急時の連絡手段(電話、チャットツールなど)
また、学内説明会やインターンシップなど、物理的な対応が必要な業務を委託する場合は、対応可能エリアを確認する必要があります。地方の大学での説明会を依頼したい場合は、その地域に対応できる業者を選びましょう。
まとめ

採用活動を採用代行に業務委託することは、適切な契約と業務範囲の設定を行えば、中小企業の採用活動を大きく効率化できる有効な手段です。
ただ、業務内容によっては事業許可がないと違法になってしまう場合も十分あり得ます。有料職業紹介事業許可番号を持った、正当な採用代行の企業に依頼するようにしてください。
採用業務の負担を減らし、本来注力すべき戦略的な業務に時間を使えるようになれば、採用の質も向上します。ぜひ本記事を参考に、自社に最適な採用代行の活用方法を見つけてください。